平成29年度第32回海洋化学学術賞

平成29年度第32回海洋化学学術賞は,平成29年4月22日(土)京都大学楽友会館にて,鈴木淳氏に授与されました.

鈴木淳氏


所属・職:国立研究開発法人産業技術総合研究所地質情報研究部門海洋環境地質研究グループ・研究グループ長

略歴:
1989年3月 東北大学理学部地質学古生物学教室 卒業
1991年3月 東北大学大学院理学研究科博士課程前期 修了(理学修士)
1992年3月 東北大学大学院理学研究科博士課程後期 中退
1992年4月 通商産業省工業技術院・地質調査所海洋地質部 採用
1995年6月 理学博士(東北大学)
2001年4月 改組により,独立行政法人産業技術総合研究所・海洋資源環境研究部門・主任研究員
2009年 4月 同・地質情報研究部門・研究グループ長

受賞題目:サンゴ骨格分析に基づく気候及び海洋環境の研究

推薦理由:鈴木淳氏は,一貫してサンゴを対象とした地球化学・海洋化学研究を行ってきた.特に,サンゴの飼育実験を通して,サンゴ骨格指標の特性を把握し,石灰化のメカニズムをあきらかにし,サンゴを用いる水温復元の精度を高めた.また,石垣島東岸に分布するハマサンゴ巨礫が1771年明和大津波によって生じたことをあきらかにするなど,サンゴ骨格気候学を過去の津波災害研究に応用する道を開いた.これらの成果は,100編以上の論文として公表されている.このような実績から判断して,鈴木淳氏は海洋化学学術賞にふさわしいと確信し,ここに推薦する.